浄土宗 槃舟山易往院願生寺

お知らせ

  • HOME
  • お知らせ
  • 【連載】檀家信徒の皆様へ近況報告と法話 第8回+晋山のご報告

檀家信徒

【連載】檀家信徒の皆様へ近況報告と法話 第8回+晋山のご報告

2020.06.03

緊急事態宣言が解除されたと思ったところで再び東京アラートと、どうにも落ち着かない日々が続いております。

ホームページの記載が変わっているのを見つけた方もいらっしゃるかも知れませんが、住職が交代となりました。

深刻な病気などがあるわけではないのですが、体力的に限界ということで、私の高校・大学の大先輩と同じく生前退位です。

とはいっても、交代に際してはそれなりの手続きが必要です。

その旨伝えられたのが2月末の小池都知事がテレビで話している後ろでだったので、書類や印を集めるのもすぐに回るというわけにはいきません。

幸いにもお彼岸付近は少々落ち着いた感があったので、檀家総代の皆様にはご署名と印をいただけましたが、通常よりは大幅にかかってしまいました。

住職が往生してしまっての交代だとかなり時間などが厳しくなるのでまだマシだったというところですが、どこかには苦労した新住職さんもいるかも知れません。

4月後半に認証の書類などが来たため登記変更申請を行い、本日完了しました。

そのまま東京都と浄土宗にも交代の書類を発送したので、これで手続きが9割終了です。

あとは、法類(寺院同士の親戚のようなもの)、檀家総代の登録が一度リセットされてしまうため、再登録の書類が提出できれば完了です、おそらく来週序盤といったところでしょうか。

本来でしたら施餓鬼会の際に可能な限り多くの皆様に報告と挨拶をさせていただく予定でしたが、今年はこのような情勢もあり、10家程度に先行してお話させていただきました。

秋に十夜法要を臨時で行い、それで晋山式を兼ねるということを考えておりますが、何分まだ世の中がどうなるかわかりません。

お盆は実施予定(制限などはまだ未定です)ですが、秋のほうは彼岸頃に方針決定できればと思っております。

もし、法要実施できない場合は、来年の施餓鬼にてとは思っておりますので、もうしばらくお待ちください。

おそらく住職交代というと、大半の方は一生に一度見るかどうかのイベントでしょう。

当山では派手に色々特殊なことをやるわけではないですが、どんなものかな程度で楽しみにしておいていただければと思います。

何とも妙な時期に交代ということで、持ってなさを少々発揮しているところですが、檀信徒の皆様のご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。

そんなわけで、状況が良くなっているのか今ひとつわからない中ですが、今月の法話です。

現代は何かと得られる情報が多くなっており、それは間違いなく良いことのはずなのですが、困った面もあります。

インターネットの情報を鵜呑みにするのも危険ですし、マスメディアの報道についても無責任なものも目につきますし、捏造まがいのものもあるようです。

このような情勢を見ていて、ふと思い浮かんだのが「二河白道」という言葉です。

今までに何度か法要の後に話させていただいた記憶があるのですが、これは法然上人が浄土宗を開くのに大きな影響を与えた唐の善導大師が、阿弥陀様の救いをたとえた言葉です。

学校で習う言葉ではないと思われますが、辞書にも載っている四字熟語でもあります。

どのような内容かというと、野盗や野獣に追いかけられている人がいます。

その逃げている人の眼前に細く白い道がありますが、道の左右はそれぞれ激しい炎と氷の海となっています。

この2つの海は人間の怒りとむさぼりを示しているといいます。

一方で、白い道の先には阿弥陀様がいて、「惑わされずにこちらに来なさい」と手招きをしています。

つまり、この白い道は極楽浄土への往生を願う信心をたとえたものなのです。

お念仏による往生は、ともすれば「そんな簡単でいいの?」と思われてしまうものですが、そんな簡単なものです。

一見、か細く周囲のせいで過酷に見える道も、阿弥陀様のもとへたどり着く、何よりも安全で確実な道なのです。

現在、それこそ炎が燃え上がるように不安が煽られています、しかし、目立たないながらも正解の道はどこかにあるのではないかと思います。

もし、現在はまだ正しい道がなくとも、いずれ示される時はくるでしょう。

残念ながら、正解ルートへ手招きしてくれる阿弥陀様が見えないのが現世の世知辛いところですが。

不安なときこそ十遍のお念仏とともに、心を落ち着かせていただければと思います。

来月は前振りが平穏な話であることを祈りつつ、今月はここまでとさせていただきます。

過去のお知らせ一覧