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【連載】檀家信徒の皆様へ近況報告と法話 第31回

2022.05.01

今年も連休がはじまりましたが、皆様如何お過ごしでしょうか。

私は基本的に年中無休ではありますが、娘と過ごす時間も重要なので、今年は少し出かける予定も入れております。

とはいえ、学校はカレンダー通りなので、微妙な隙間が空いております。

その間は施餓鬼に向けた準備を進めることになりそうです。

やはり5月というと、当山では施餓鬼が第一のイメージです。

私が結婚して少しくらいまでは先代が兼業中の都合で7月としておりましたが、日時が移動してもっともよかったのは涼しいこと。

7月3日に向けての準備は大汗をかきながら進めておりました。

5月もこの頃は暑い日も多いですが、夏に比べればかなり楽です。

お盆とも日程がずれることで、それぞれの意味合いでしっかりお勤めできるのも良いことと思っております。

本当は、多くの人がお参りできる土日固定が望ましいのですが、近隣寺院の都合もあるので、調整が難しいところです。

こちらは、土日がぶつかる年を待つばかりです、今年は火曜日実施なのでまだ先にはなりますが。

連休もそうですが、施餓鬼も何の宣言も出ていない状態で久々に迎えることができそうです、このまま落ち着いて欲しいところですね。

とりあえずは今年もしっかりとお勤めするのが目標です、近隣の若手とともに頑張る次第です。

 

そんな5月の法話です。

ちょうど施餓鬼なので、施しについてです。

施餓鬼は名前の通り「餓鬼道のあらゆる餓鬼に施しを与えて、その功徳を祖先に回し向けること」が目的です。

近年、ご質問も多いので手紙にも書かせていただきましたが、そのために「供米料」という項目があります。

施す食物は有限ではありますが、それを無量に増やす法を修めることで、すべての餓鬼への救いがなされるわけです。

いってしまえばひとつの世界丸ごとに救済を与えるものですので、その功徳は甚大です、そのため、毎年ご参加いただくよう勧めております。

施しを与える布施行、これは常日頃から心掛けたいものでありますが、普通に生活しているとなかなかその気づきがありません。

ふと、電車で席を譲る、道で困っている人を助けるなど、色々なものがありますが、これらはどうしても偶然の要素が必要になります。

遭遇しなければ仕方ないと思うところではありますが、実際のところ、困っている人は無数にいますし、世の中は決して平穏とも言い切れないものです。

これは以前題材とした、仏様の救いは月の光のように降り注いでいるものの、意識しなければそれに気づけないということに似ています。

そうしたものを探してどうにかしようにも、自身の力が及ばなかったり、高額の金銭が必要だったりと、すべてに対応できるわけではありません。

それは仕方のないことです、我々は仏様ではない凡夫であり、あらゆる人に対する救いを示すことは不可能です。

もしそれができる人がいれば、現世にいながら仏様になった偉大な人なのでしょう。

しかし、仕方ないだけで済ますのではなく、世界はそうした問題にあふれていることを意識すれば、気持ちも変わってきます。

ごく身近にも困っている人がいるかもしれません、それを頭に入れておけば、ちょっとした表情の曇りやどこか不安そうなしぐさなどに気づくことができるかもしれません。

ぜひ、そうした人の助けになってあげること、これも立派な布施行です。

何もスケールの大きなことを行う必要はありません、家族や親しい友人、同僚など、まずは足元をよく見てみるのが大事なのではないでしょうか。

私もそのような身近な布施行に励みたいと思ったところで今月の法話は締めくくりとさせていただきます。

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