浄土宗 槃舟山易往院願生寺

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【連載】檀家信徒の皆様へ近況報告と法話 第64回

2025.03.01

冬と春を行き来しているような、不安定な気候が続いています。

いきなり暖かくなると枝垂桜が彼岸前に咲いてしまうことも多く、身体にも堪えるので一貫していて欲しいものです。

かつては「暑さ寒さも彼岸まで」が通用していた気がしますが、ここ数年は特に暑さのほうがルールを破っているといったところでしょうか。

春は比較的温暖になりやすいので、秋よりお参りが多い傾向にあります。

近年は春彼岸にはお参りできるものの、秋は暑さが厳しいので塔婆供養で代える、という方も見られます。

そのあたりは無理をせず、ご自身の体調や体力と相談してご判断ください。

しかし、春は春で最近は花粉の問題が深刻なようです。

住職はまだ大丈夫なのですが、家内は近年少し怪しいという話です。

とはいえ、アレルギー持ちの身としてはこれ以上不具合が増えるのは好ましくないので、外出時はマスクで対策することも多くなりました。

鼻をすすりながらお迎えするわけにもいかないので、気を付けております。

また、年度末は何かとお忙しい中と存じます。

私も決算書類の作成等事務仕事が増えていますし、子の進級準備にも時間を取られています。

とはいえ、季節の移り変わりの中、旧年度の報告と新年度も恙ないことをぜひご先祖様にご挨拶いただければと思います。

 

さて、先ほど進級の話が出ました。

子が同じ小学校に通っている都合、昔はどうだったのかといったことを聞かれることも多々あります。

また、自身の経験からこの時期には何をしていたかなどを思い返すこともあるのですが、どちらかというと思い出すのは日常のどうでもいいことが多い傾向にあります。

それはそれで楽しく過ごしていたわけですから、そこまで悪いことでもないとは思います。

ただ、日々を雑に過ごしていたなということを痛感します。

特に何か強く目標を持って頑張っていたかというとそんなこともなく、そういう心構えができるのは中学後半といったところでしょうか。

しかし、当時から何か夢を目指してそれに打ち込んでいた同世代の方も少なくはないでしょう。

そこでふと思い浮かんだのは浄土宗の「開宗の文」と呼ばれる『観経疏』「散善義」の一節です。

「一心專念弥陀名号 行住坐臥 不問時節久近 念念不捨者 是名正定之業 順彼仏願故」

「一心に専ら弥陀の名号を念じて行住坐臥に、時節の久近を問わず。念念に捨てざる者、これを正定の業と名づく。かの仏の願に順ずるが故に」

簡単にいってしまえば

「場所や時間、長さにこだわらず、決して怠らずに心を込めて念仏することこそが、阿弥陀様が我々凡夫を救うための行である」

といったところです。

法然上人はこの文を見て念仏往生を確信し、浄土宗の教えを打ち立てるきっかけとしたといいます。

念仏という易行による往生を説いた文ではありますが、私はこれを見るために継続の重要性や、常に目的意識を持つことの重要性を感じています。

小さなこと、簡単なことの積み重ねとはいえ、心を込めて続けていくことは力になるといえます。

これから新生活を迎える方も多いと思います。

ぜひこの機会に目標設定やそれに向けた積み重ねの重要さを再確認していただければと思う次第です。

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