お知らせ
2023年より「十夜放生会」が年間行事に追加されます
2023.02.28
春の寺報に同封させていただきましたが、表題の合同法要が毎年の行事として加わります。
当サイトの記述は順次更新していきますが、予定は下記の通りです。
日時:毎年11月17日(施餓鬼のちょうど半年後)
流れ:10時 住職挨拶
10時半 余興(2023年は住職法話、由来等について説明します)
11時半 法要(従来の法要とは少し違う特殊なものになります)
12時半 客間を開放しますので、お斎は残って召し上がる、お持ち帰りになるどちらでも構いません
※お勤めしていく上で変動があるかもしれませんが、基本的に施餓鬼のような流れです
内容と実施に際して
「十夜」とは「浄土三部経」と称される、浄土宗の最重要経典のひとつ『無量寿経』の言葉に由来する浄土宗独自の行事です。
「この世において十日十夜の間善行を行うことは、仏の国で千年間善行をすることよりも尊い」とあり、元々は旧暦10月6日から15日まで十日十夜念仏を行うものでした。
それが次第に短縮され3日ほどとなり、現在は秋頃の10月から11月にかけてどこか一日でお勤めすることとなっています。
「放生会」とは仏教の「不殺生」の戒めにそって鳥や魚を放し、その命を救うことで功徳を積む法要です。
奈良の興福寺の法要の後、猿沢池に鯉を放つものなどがよく知られます。
一部、神社などでも見られる行事ですが、仏教にルーツがあるものです。
東日本ではあまり見られない法要ですが、大きな功徳になるとされています。
その2つを併せた法要を営み、その功徳をご先祖様等に回し向けるとともに、自らの修養とします。
26世(現住職祖父)の時代にはこの「十夜放生会」は行われていた形跡があるのですが、次第に立ち消えになってしまったようです。
とはいえ、古くから牛供養塔があり、動物供養にも縁が深い当山にとっては欠かすことができない行事といえます。
特殊な法要につき、諸々の準備等も必要でしたが、それら諸条件についても解消できると判断し、本年より復活させるということとなりました。
十夜放生会では基本的には各家用の御札を御供養してお配りします。(どうしても塔婆をご希望される場合はそちらも併せて御供養します)
当日ご参列いただいた方についてはそのままお食事等とともにお持ち帰りいただきますが、それ以外の方の場合は年末のカレンダーに同封してお送りします。
御札に関しては以下の3つのパターンを用意しています。
①○○家先祖代々追善(各家のお仏壇やお位牌が置いてある高所などにお供えください)
②「個別戒名」(同上)
※当山に墓所がない方(奥様の御実家、御友人等)についても御回向が可能です
③「諸牛等群霊頓証菩提」(飲食店や企業用、企業名や屋号を施主とするのでオフィスなどにお供えください)
2024年以降、古くなった御札は秋彼岸あたりにお送り・お持ちいただければ年末にお焚き上げいたします。
既に企業の方からもお問合せを受けております、檀信徒以外でもご希望あれば参加は可能ですので、お問合せ下さい。
なお、「放生」につきましては実際に魚などを放つのには問題があります。
川に魚を逃がすと生態系に影響を及ぼす可能性がありますし、鳥は外敵も多く都心で生きていくのは非常に難しいのが現実です。
他寺院では放さず飼育するという例もあるようですが、なかなかそれも難しいようです。
かつて、当山には水が湧いていたのですが、現在は開発の影響で枯れています、そのため実際に生きものを放つことができません。
こうした実情を考慮し、信頼できる野生動物保護基金などにお布施の一部を寄付することで、それに代える方針です。
当山は牛に縁があるため、なるべく牛に関わりのあるものを探す方向です。
また、当山ならではの行事として特色を出していく予定です。
お経の内容についてのほか、ご出席いただいた際のお土産には檀家の方のお店を利用します。
年ごとに色々お願いする予定ですので、ご協力いただける場合はお申し出ください、こちらからもお願いする場合があります。
御札の御供養含めここ数十年にない、少し違った雰囲気の行事となると思われますので、ぜひ皆様ご参加いただくよう、お願いいたします。