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掲示板の言葉 vol.7 「有朋自遠方来、亦不楽乎」
2024.11.14
1年以上サボってしまいました、久々の更新です。
これまでは家内が書道教室の際にリクエストして書いてもらうというのが基本でしたが、退会に伴い住職とランダムで出す予定です。
私は完全に自己流な上に下手なので恥ずかしいところではありますが。
さて、今回は有名どころ、『論語』からの言葉です。
ご存じの通り「朋有り遠方より来る、亦た楽しからずや。」です。
この前の「学びて時にこれを習う、亦た説(よろこ)ばしからずや。」とセットで知られるところでしょう。
何を思ってこれを書いたかというと、来月に大学時代の友人と実に24年ぶりに会うのがこの上なく楽しみだからです。
その友人は韓国からの留学生だったので、卒業後帰国してしまい、まさに遠方の友でした。
メールやSNSでやり取りはあったものの、なかなか私も海外旅行に出るチャンスもなく四半世紀近くが経過したところ、彼が仕事の都合で来日するから都合はどうかと連絡がありました。
思い出は色々ありますが、剣道部の飲み会の後によく泊めてもらいました。
酔った体育会系大学生などとてつもなく喧しい存在ですが、「一人でいるのも暇だし」と快く受け入れてもらい、おかげで翌朝の授業も楽に出席できたものです。
初の海外旅行の際にも色々もてなしてもらい、その後の人生においても良い経験だったと常々思っています。
エピソードはここに書ききれませんが、仏教では友人や友情といったものをどう説いているでしょうか。
様々な内容がありますが、ひとつ「善友」という言葉があります。
意味は何となく想像がつきそうな字面ですが端的にいうと「共に修行して自分を良い方向へ導いてくれる友」ということだそうです。
共に修行をしたというのは確かにそうかもしれません、同じ学部学科で4年過ごしたわけですし。
自分を良い方向へ導いてくれたというのはこれは確実にイエスでしょう。
何も品行方正で清く正しい生き方を学んだというわけではないですが、間違いなくその後の価値観に良い影響を与えてくれました。
ある程度の年齢になって初めて同世代の外国籍の友人と価値観を共有できたことも貴重なことですし、語学や学問に関するスタンス、色々なことを学ばせてもらったと思います。
様々な経験を通じて私の世界を広げてくれた友人はまさに善友といえるでしょう。
来月が楽しみではありますが、それまでに十夜放生会や回忌法要、もちろんしっかりお勤めして久々の再会を楽しめればと思う次第です。