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掲示板の言葉 vol.1 「大一大万大吉」

2022.11.08

9月末日の掲示板設置から少々時間を置いてしまいましたが、本日1回目のものを貼りだしました。

字は現住職夫人です、以後も基本的にそうなる予定です。

記念すべき、かはわからないところもありますが、初回は「大一大万大吉」です。

ご存じの方もいると思いますが、戦国武将・石田三成の旗印として知られる言葉です。

頼んだわけではないのですが、今回はちゃんと旗印風に書いてくれました。

いや、鎌倉期の山内氏だ、などという方もいるかもしれませんが、マニアック過ぎるのと本題から逸れるので今回はそちらは置いておきます。

意味は「一人が万人のため、万人が一人のために尽くせば天下は太平になる」ということです。

私が戦国武将に興味を持った頃にはどちらかというと石田三成は不人気でした。

創作物では融通が利かない、冷酷、嫌われ者などあまりポジティブな描かれ方をしておらず、それも拍車がかかっていたような気もします。

それには背景もあり、彼の役職は簡単にいえば「秀吉へのチクり役」ということで、不満を買いやすいものでした。

そんな恨み節もあってかマイナスの評価を下されがちでしたが、その秀吉との出会いの三杯のお茶のエピソードや直江兼続との友情などを考えるとそうとも言い切れない人物です。

それもあってか、近年は再評価されている傾向にあるようです。

さて、その旗印についてもいささか理想的すぎるともいえるでしょうが、現代の組織などにも通用することといえるでしょう。

人のために尽くすこと、確かに良いことではあると思いますがなかなかそうもいきません。

我々には執着があります、何かにこだわって切り離すことはとても難しいことです。

それが良くないこととわかっていても手放すことはできません。

しかし、当然ながらそこから抜け出ることができなければ余計な争いなども生むこととなります。

逆にそこから皆が解放されて自らにこだわることを控え他に尽くすことができれば、確かに平穏な世の中は実現されるかもしれません。

彼の生きた時代は本当に争いの多い時代でしたが、そこから解放されて平和な世で思いやりを持って生きるのは理想だったのかもしれません。

まさにエゴがぶつかりあうような時代においてそのようなことを掲げられたのは、本当に良い世の中を渇望したからでしょう。

我々も人間ですので、執着を捨てきることはできません、しかし、少しだけその努力をしてみてもいいのかもしれませんね。

 

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