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【連載】檀家信徒の皆様へ近況報告と法話 第72回

2025.11.01

10月まで30度超という予報は良い方向に外れ、すっかり肌寒さを感じる日々となりました。

聞けば秋祭りも9月は気候が厳しいから10月に、などというところも多いようで。

そういった対策は一応の効果を見ているような気もします。

しかし、こうした急激な変動というのもなかなか身体には堪える模様。

9月終わりから10月にかけては非常に葬儀が多かったですし、私自身も少し体調がすぐれない時期がありました。

早くもインフルエンザが流行しているようで、感染による行事欠席や法要延期なんてことも複数ありました。

冬が本格化してこうしたことも増える可能性はありますが、万一の場合はお身体を優先してください。

数年前までは秋彼岸が終わるとシーズン終わりのような感じはありましたが、11月に十夜放生会を設定しております。

それに伴い境内清掃なども前倒しにして、10月11月は比較的忙しい時期となりました。

逆にそのタイミングで大掃除に準ずることをしてしまって、12月は年末の仕事をゆったりと、という方向性も出てきています。

2月間、他の寺院の随喜のみで何となく過ごすよりは有益であるようにも感じています。

当山にとって意味合いの深い行事でもありますので、行事に参加されたことがない方もぜひご検討ください。

そんな冬の入口の法話です。

10月といえば衣替えシーズンでしたが、僧侶にもそれは当てはまります。

5月~9月が夏物とされており、当山でも近年の施餓鬼は孔雀の七条袈裟でお勤めしております。

一緒にお勤めしてくれる近隣寺院の方も夏の衣です。

しかし、ここのところの気候変動もあり、10月は移行期間になりました。

気温によって申し合わせで夏の衣でもいいという形です。

ここ最近のルール変更のようです。

さすがに11月になると寒さは出てきますので冬の衣となりますが、確かに10月前半に冬物は少し暑いですよね。

実際、先月上旬の法要では夏物でお勤めしましたし、後半に入ってからは冬物とちょうど半々という形になりました。

ここ数年、10月に冬物はキツイなどという話もよく出ていたのでいい改定だと思います、それ以前も非公式で各寺院において臨機応変にやってはいましたが。

気候もそうですが様々なものは時代や世情によって変化するものです。

我々の着ている法衣も変化の過程で加わったものですね、仏教が中国へ伝来すると気候的に袈裟のみでは厳しいから着用するようになったとのことです。

こうした変化に適応することも重要ですし、場所や時代によって人間の感覚も変わるものですので、ポジティブな柔軟性というのも仏教の良さのような気もします。

迎合的すぎるのもどうかとは思いますが、多神教故のおおらかさは風土や日本人的な感覚にも合っているような気もします。

以前、先輩から生け花の説明を受けていた際、「日本人の魂の底にあるものと共鳴する」のような言葉が挟まっていましたが、そういったものは確かにあると思います。

ご供養における祖先に感謝し敬うといった部分もそれにあたるのではないでしょうか。

表現の仕方や作法など様々な変化はありますが、これから行事や年末年始とまたお参りが多くなる時分、ぜひそれに際しては今一度ご自身の中にあるそうした感覚を再確認していただければと思う次第です。

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