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【連載】檀家信徒の皆様へ近況報告と法話 第63回

2025.02.01

令和7年も早々に一月が過ぎました。

今年は7日より大きな工事が始まったため、特に慌ただしかったように思います。

土日は納骨などの作業があったようで当山での作業はありませんでしたが、1月後半までほぼ毎日、無縁墓所の撤去が行われました。

かなり寒い週もありましたが、そんな中でも汗だくになって深くまで掘り返す作業を続けてもらった石材店の方々には感謝するばかりです。

他県ナンバーの車もヘルプがあり、どうにか約20件の整備が完了しました。

依頼する側としてはそこまで重大な作業になると思っていませんでしたが、古い土葬墓の撤去には想定を大きく超える労力が必要だったようです。

ほぼ土となってしまっている中から丁寧に手作業で遺骨を取り出し、合葬墓設置予定箇所に改葬を行いました。

場合によっては指示を出さなければならないので、それなりの時間作業に立ち会いましたが、個人的にはかなり勉強になったと感じています。

今回はかなり古い墓所のみではありましたが、次段として近年孤独死してしまった方などの対処が必要となってきます。

その際の作業に大きな影響がありますので、規約のご確認を改めてお願いいたします。

さて、今回の墓所整備に先立って、過去帳をかなりさかのぼって調べてみました。

無縁となってしまった家の方にも様々なご事情があるようで、中には後継の方が若くして亡くなってしまい期せずして、のようなところもあるようです。

誰しも好き好んで自身が末代になろうと思うようなことはありません、何らかの事情があることが大半でしょう。

今回、すべての家について事情を正式に把握することは当然ながらできませんでしたが、残されたわずかな記録からうかがい知ることができます。

末代となった方がどのような方でどのような考えを持っていたか、今回対象とした墓所の方は私どころか先代も面識がないような方なのでわかりません。

とはいえ、老いていく自分自身や時代の変化、様々な移り変わりに不安を感じたことも推測されます。

このあたりは、先の代があっても亡くなる間際の話を聞くとよく出てくることです。

後のことはどうでもいいから、などと割り切って執着を捨てられる人もいるようですが、そう簡単なことでもありません。

法然上人も登場する説話の刈萱道心も母や妻が亡くなったことには涙します。

今回、合祀を行う各家の諸精霊に対しては丁重に供養し、改めて極楽往生を祈念しています。

先のような苦しみから逃れ極楽往生を得、同じような苦を受ける方を救ってくれることを願います。

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