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【連載】檀家信徒の皆様へ近況報告と法話 第59回

2024.10.01

今年は久々に「暑さ寒さも彼岸まで」を体感したような気がします。

空模様が今一つなのは困りものではありますが、それでも猛暑よりは、といったところでしょうか。

直近では台風の接近も気になるところですが、段々と秋が深まっていくことと思われます。

9月は秋彼岸及びその周辺で多くの方にお参りいただきました。

コロナ以前に比べるとわずかに減少、くらいではありますが、何らかの音信がある方がほとんどです。

暑さや高齢化も影響はあるかと思いますが、平穏な状況に戻ってきたかなという印象です。

従来ですと、当山はここで一段落、年末まで落ち着いた状況を祈るばかりでしたが、昨年からは一味違います。

10月のペット法要、11月の十夜放生会が毎年開催となったため、諸々の準備を進めていく期間となります。

できれば年末に先立って11月に大掃除をして法要を迎えたいところではありますが、なかなかそれも難しいため、施餓鬼同様可能な限り整った状況で皆様をお迎えできるよういたします。

お参りの際、十夜放生会について諸々ご質問をいただきました。

まだ日も浅く、珍しい法要であるため、わからないことも多いかと思います。

本年のお知らせにはよくあるご質問に対する回答や、出欠ハガキの記載内容の明確化などについても同封する方針です。

本年は日曜ということもありますので、ぜひご参加・ご出席いただければ幸いです。

さて、動物に関する法要が2月続くわけですが、今回は当月のペット法要に関連してです。

当山にも歴代3頭の犬がおりました。

当然、ともに過ごしてきたので愛着があり、私自身いまだにペットロスといえる状況かもしれません。

この「愛着」という言葉、現代語で見てみると「なれ親しんだものに深く心が引かれること」であり、共に過ごしたペットに沸くのはごくごく当たり前のことです。

しかし、仏教語としての「愛着」を見てみるとどちらかというとネガティブ。

煩悩の一種であり、欲望にとらわれて離れられないことであり、苦しみを生み出す源とされています。

こちらも現代語に変換するとしたら、執着心のようなものです。

では、我々のイメージする「愛」のような言葉はないのか、そんなわけもありません。

これに適切な言葉としては「慈悲」「慈しみ」です。

こちらは親が子に対して向けるような無償の愛にあたるもので、我々が楽しく生きてきたペットに感じるものとほぼ同義といえるでしょう。

そして、この慈悲の心、苦の世界に生きる我々を憐れんで救いを与えてくれる仏様の心であります。

我々が受けたこの心、仏様のようにはいきませんが、周囲に向けてあげること、これはまさに「菩薩行」といわれる生き方です。

5日のペット法要ご参加の皆様、そうでない方もぜひ心に留めて今月過ごされては如何でしょうか。

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