お知らせ
【連載】檀家信徒の皆様へ近況報告と法話 第58回
2024.09.02
8月も終わり頃からすっかり台風のニュースが増えてきました。
近年は多少オーバー気味かな、などと思うところもありますが、やはり安全第一、閉門などの措置はとらせていただいております。
雨天でもお参り自体は問題ないとは思うものの、足元が危険なのは言うまでもありません。
回忌法要などを予定していても、延期されても構いません、危険を感じたらまずそちらへの対処をお願いいたします。
境内正面は舗装で安心できる状況ではありますが、墓所はなかなか整備が進んでおりません。
こちらも徐々に舗装、石の敷き直しなどで対応していく予定です。
通路整備に先立ちまして、まず無縁墓所の改葬が必要となっております。
何度かお知らせは出しておりますが、秋彼岸のお参りに際してご確認ください。
これまで、秋にも大規模な台風で墓所破損などが見られてたことがあります。
もしご不安ありましたらいつでもご連絡ください、確認の上返信いたします。
そして、9月の法話です。
私事ですが、先月末にちょっとした試験を受けてきました。
あまり気負ったつもりもないのですが、やはり久々に味わうプレッシャー等々はあまり心地よいものではないですね。
とはいえ、学生時分とは少し違う点は、教える側、ふるい落とす側の立場を経験していること。
この視点は色々と役に立ったなと思っております。
とりあえず、結果は来月出るようなので、何ともいえない気分で待っていることとします。
勉強等をしつついつも思うのですが、かつての僧侶というのはとてつもないインテリだったわけです。
仏教以外の最先端の学問に触れ、それを各地へ広げる人すらいたわけで、我々の受験勉強の比でない時間と労力を使い、様々な分野のプロとして活躍しました。
そう考えると現代で苦労したところで、かなり手ぬるいものかもな、などと思ってしまうところがあります。
浄土宗の祖である法然上人は、そんな中でも抜きんでた人物だったようです。
智慧をもって人々を救うとされる勢至菩薩にたとえられ、当時学問の中心でもあった比叡山でも、とてつもなく優秀、今でいえば東大主席のようなものでしょうか。
それにあやかって「智慧結び法要」というものをお勤めする寺院もあるようです。
その背景として、十三歳で比叡山に登り、十五歳で正式な僧侶となり、十八歳で智慧第一と称されたという伝があるそうです。
上記の年齢、現代でいえばそれぞれ受験の年ということで、ちょうどそこで学業に縁があるように、ということだそうです。
当山でも合格祈願をお勤めしておりますが、私は自分自身の祈願というのもどうかと思い、さすがに昨年お勤めしておりません。
度々、天に祈りたくなるような問題もありましたが、それより不安なのはマークミスやらですね。
結局のところは自分との戦いでしょうか。
そうした不安や重圧を軽減するのにも、心を静める手段のひとつとして目を閉じて立ち止まるのも悪くなかった気がします。
改めてこうした試験を味わって、やはり思うのは頑張っている檀家の皆様の御一族の受験生が目標を達成して欲しいということ。
影ながら応援しております。