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【連載】檀家信徒の皆様へ近況報告と法話 第57回

2024.07.01

2024年も半分が過ぎていきました。

新聞の見出しに「能登半島地震から半年」などとあり、今年も波乱の多い年になりそうだなどと感じたのを改めて思い出しました。

何も元日から、などということを感じた方も多かったようですが、自然現象に関しては科学が進歩しつつも完全に把握するようなことは将来に於いてもないのではないでしょうか。

人の生き死にも同様で、お盆の月を迎えて尚更それを痛感される方も多いかと思います。

まさか今年が新盆になるとは、私も昨年はまさにそれを思ったものでした。

幸いにも先代夫妻はまだ健在ではありますが、叔母が一気に弱ってしまったのを見て、改めて人間の命運はわからないと感じました。

一方、残されるにも様々な境遇の方がいます。

たとえば、介護をやり切ったとしてもその後の喪失感がある方もいれば、この高齢化社会の中ではまだまだ若いという場合もあります。

今回、お盆に際してお話の会を設けたのもこのような方が想いや考えを話せる場を作りたいというのが第一です。

また、総代会で提案のあった檀信徒間の交流等を図れればという考えもあります。

何度か諸行事とは別日程で複数の企画をしておりましたが、現在皆様があまり近隣にお住まいでないという状況から、何かしらに接続して参加しやすくしようと思い、お盆に合わせました。

施餓鬼・十夜放生会はお参りは多いものの、慌ただしく十分な時間が取れません。

彼岸でも会自体が落ち着いて行えない状況になりがちです。

そのため、法要も私が単独で行え、ある程度お参りが分散されるお盆が時期的にベストと判断しました。

また、新盆という性質上、まさに今喪失感がある方のフォローとしても良いタイミングといえます。

初回としてはまだ手探り感がありますが、お盆法要も当山ではあまり古くない行事ですので、併せて独自性を出していければと思う次第です。

本年はいささか急なところがありましたが、来年以降、ぜひご参加いただけれればと思います。

そんなお盆前の法話です。

月1回ほど法話的なものを書いてみたら、というのはこのHP製作をお願いしている会社の方の提案でしたら、かれこれ5年近くになります。

お盆だけでも5回あるので、同じことを書いていないかチェックするのが難しくなってきました。

お盆に限らず、内容多少重複する可能性はありますが、御容赦ください。

葬儀の後、しばしば話に上がることがあるのですが、毎年お盆に際して亡くなった方の傾向が見て取れます。

90代が多い、女性が多い、など新盆の回向帳を作成すると何らかの偏りが目に見えてでてきます。

これは同業の友人などに聞いてもあるといいます、不思議なものです。

昨年は特に若くして亡くなる方が多かったので、これは本当に年で切り替わって欲しいと願います。

とはいえ、亡くなるのは若くしても高齢でも辛いもの、いくら大往生といっても残される身は悲しいものです。

先にあったよう、いくらケアに負担がかかっていたといっても、同時に喪失感もやってきます。

私がよくお話させていただくのは「亡くなった方とのコミュニケーション」です。

直接的な会話や物のやり取りなどはできませんが、共に過ごされた方はお浄土でも皆様のことを気にかけています。

それに対して御供養で返してあげることが今できる最上のコミュニケーションです。

特にお盆は亡くなった方もこちらへ帰ってくるといいます。

今まではお参りの際、朝にお供えをする際のみだったものを、ぜひこの期間は身近にいるものと思い直して、頻繁に思い出してあげてください。

よく言われるのは、故人様が好きだったものを作って、一緒に食べているつもりでお供えするといったことがあります。

せっかくの時期ですので、この一週間弱は従来と少し違う御供養をされてはいかがでしょうか。

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