浄土宗 槃舟山易往院願生寺

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【連載】檀家信徒の皆様へ近況報告と法話 第54回

2024.04.06

新年度に入りました。

3月は春彼岸から決算の流れで毎年慌ただしく過ぎていくのですが、本年は下の子の卒園・入学式ということでそちらに絡んだイベントもあり、あっという間でした。

今後も行事・習い事等で家を空けざるを得ない状況もありますが、門前払いになってしまわないよう、引き続きお参り前のご連絡にご協力をお願いいたします。

春彼岸も概ねコロナ前の状況に戻った印象です。

また、直接お参りできるからということで彼岸塔婆の御供養も従来より多くなって参りました。

こうした皆様の先祖供養の志を受け止め、毎日のお勤めにも気が入るところです。

来月の施餓鬼等でも以前のように100名様近くでお勤めできればと思いますので、ぜひ皆様ご参加ください。

そんな春先でしたが、唯一残念だったのは、境内の桜の状況でしょうか。

先のお知らせで新合葬墓について同封しましたが、本来は2本の桜を背負った形でした。

ところが、先の手入れの際、1本は枯れており大きいことから危険であるため、伐採となりました。

新しいものを花屋に頼んで植えましたが、2本並んで巨木となるのはかなり先のことでしょう。

入って右手の枝垂桜も例年は彼岸に合わせていい具合になるのですが、今年は寒い日が多かったせいか、咲き方もあと一歩といったところでした。

4月に見頃になるかと思いましたが、葉が多く、今年は何となくシーズンが終わった感じです。

地蔵堂前の祐天桜も、贈ってもらったはいいものの、5年ほど経ちますが葉芽ばかりで咲いていません。

植木屋さんと話すと、まず根を張って大きくするから、もう少し経ってからという話でした。

自然というのは人間の思い通りにはいかないものだというのを痛感した次第です。

さて、この「自然」、仏教用語ですと「じねん」と読み、「自ら然る」と読み下します。

「浄土三部経」のひとつ『無量寿経』にも散見する言葉です。

意味としてはその通り「おのずとそうなること」、つまり「人為的なものを挟まないありのまま」ということです。

浄土宗の開祖、法然上人の「法然」の号も、因縁などなしに仏教の道へ入ったということから師匠につけられたそうです。

我々の認識している「自然」という言葉と似ているといえば似ていますね。

そう考えると、先の植え替えなども人為的、ある意味エゴ的なものかもしれません。

せめて、美しさや成長については自然に見守りたいものです。

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