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【連載】檀家信徒の皆様へ近況報告と法話 第52回
2024.02.01
昨年末に近況報告の記事を書いていた頃は内外ともに平穏でしたが、これまでにない年明けとなりました。
昨今はSNSなどを通じてリアルな被災地の様子も伝わってきますが、何と申していいかわからないような状況です。
およそ1月が過ぎ、空路の復興やボランティアの受け入れといった話もようやく出てきた中ですが、まずは避難中の皆様に十分な支援がいきわたることを願うばかりです。
食など直接的でわかりやすいところに目が行くところですが、バイオトイレの設置のニュースを目にしました。
衣食住でいえば住の分野かもしれませんが、あまり即座に思い浮かぶものではなく、こうした地味なようで重要なニーズのあるものへの援助も重要であると気づかされました。
こうして考えるとやはり素人には直接的な支援はなかなか難しいもの、別の形での協力のほうが効果的なのかもしれません。
とはいえ、現地に出向いて直接支援する方、非常に素晴らしいことです。
こうした経験に長けた人の話にありましたのは、ボランティア保険に加入したほうがいいということ。
恥ずかしい話ですが、私はそのような保険の存在を知らなかったのですが、確かに重要なことです。
もし、現地での活動に参加される方は加入をご検討ください。
そんな年始の法話です。
一昨年、当山本堂に四天王像を勧請しました。
皆様が座っているほうから見て、右手前が持国天、左に増長天、左奥が広目天、右奥が多聞天(毘沙門天)です。
持国天が東の守護で、本堂から見てそれぞれの方位に対応して安置しております。
多くの方がご覧になられましたが、御利益の説明をすると奥の広目天と多聞天が多くの人に縁のありそうな内容になります。
広目天は筆を持っていることからわかるように知恵を授かるなど、多聞天は毘沙門天として有名ですが戦勝、金運、厄除などが挙げられます。
一方で手前のほうを見ると持国天は国家安泰、増長天は五穀豊穣ということで、あまり個人の欲求に直結するものではありません。
おそらく、奥の仏様に願いをかなえてもらいたいというのが大半の方ではないでしょうか。
しかし、個人の活動というのも平和で安全な世の中があってこそです。
天災などによって進路の変更を余儀なくされる方もいるでしょう。
近年は飽食の時代ともいえますが、20世紀の末には米の不作で多くの人が影響を受けました。
こうした土台があってこその人の活動といえます、安定した生活がない中では金運や受験の運は、それを発揮する舞台にすら立てない可能性があります。
自分自身の大きな目標を達成することも大事ですし、そのために必死になることは決して悪いことではありません。
しかし、そんな中でも基盤である世の中の安寧を少し願うことも大切ではないでしょうか。
日々の恵まれた環境に感謝することも忘れず、受験シーズンに臨む方はぜひ頑張ってください。