お知らせ
【連載】檀家信徒の皆様へ近況報告と法話 第45回
2023.07.03
今年は施餓鬼から暑さが気になっておりましたが、夏もそれに引きずられて厳しくなりそうです。
そんな中ではありますが、準備などの動きをしつつ、例年ほどの厳しさというのを感じていないような気がします。
逆に冬場の寒さのほうが身体に堪えるあたり、加齢による変化か自律神経のほうの問題か、いつまでも若くないと実感せざるを得ません。
過日は墓所利用規約を発送させていただきました。
急な話で驚かれた方もいらっしゃると存じますが、申し訳ありません。
一方で既に書類を提出していただいた方もいらっしゃいます、ご協力ありがとうございます。
墓所利用者の権利保護や、防犯の都合であったり留守にしてしまいお参りできないことを防ぐといった面がメインではありますが、ご不安については順次説明させていただきます。
既に10月・11月の説明会のほか、お盆やお彼岸の際に確認したいというお話も多くいただいております。
その他ご不明点などございましたら随時対応いたしますので、いつでもお問合せ下さい。
ご質問いただいた点については適宜まとめてお伝えしますので、そちらもご参考ください。
基本的にはこれまでと何か変わることはなく、今後も同様の方針で運営できるようにするためですので、ご理解いただけるよう私も努めます。
それでは7月の法話です。
過日、2025年の大阪・関西万博の入場料が7500円に決まったというニュースを見ました。
大阪での万博というと、私の生年より前ですが1970年のものを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
岡本太郎氏の『太陽の塔』など現在も残るものもありますし、当時の報道などはテレビなどでしばしば取りざたされます。
なお、当時の入場料は大人で800円だったようです、貨幣価値の違いなどを考慮しても大きく変わったものだなと感じるところです。
当時はまだ高度経済成長期とされ、73年のオイルショックまではおそらく世の中が良くなる一方という様相だったのではないでしょうか。
一方で、当山は64年に祖父がなくなり、叔父が一時的に晋山したり法類の代務があったりとなかなかに混沌とした状況だったようですが。
それはさておき、当然ながら世間の様相は大いに変化します。
6月末に京都へ研修に出向いたのですが、そこでの内容はおそらく70年代には想定されていないようなことも含んでいたように思います。
それ自体が悪いこととは言い切れませんし、世のニーズにはまってきたことなのかもしれません。
一方で、浄土宗は何度かお話した通り、来年で改宗850年を迎えます。
教義的に大きな変化もなく、念仏による往生の教えがまったくブレずに続いているわけです。
これにはやはり浄土宗の教えは日本人の感覚にかなりマッチしているというのが大きな要因とも考えられます。
亡くなった方は極楽浄土に往生することができる、亡くなった方ともそこで会うことができる、そのために最低限度のお念仏の行を修めるなど。
死生観やわずかでも努力しようという姿勢は多くの人に共感が得られるものではないかと思うところです。
宗派によっては亡くなったら無になるという話もあるようですが、そういった感覚は受け入れがたいところもあると存じます。
浄土宗では故人様はお浄土で過ごしつつ、皆様のことを見守っていてくれます。
そんな死生観に関連しますが、お盆は故人様が帰ってくる期間、送り火・迎え火のご質問も近年はよく受けます。
こちらは13日・16日にそれぞれ焚きますので、各家では「可能な範囲」で問題ありません。
永く住まわれた場所は間違いようもありませんし、引っ越していてもお位牌などがあるわけです。
昨今の住宅事情で火を焚くのは難しい場合はお仏壇などで線香をつけていただければ問題ありません。
どうぞ、帰ってきたご先祖様をお迎えください。