お知らせ
【連載】檀家信徒の皆様へ近況報告と法話 第41回
2023.03.01
2月の終わりとともに暖かい日がやってきました。
1日朝に見たところ、昨年、本堂脇に植えた2本のサクラのうち、河津桜(墓所寄り)のほうが咲いておりました。
まだ背丈は低いのですが、無事に定着したようで一安心です。
3月序盤に彼岸参りをされる方の楽しみになればと思う次第です。
玄関寄りのほうの陽光桜はやや遅咲きなので、彼岸中に咲き出すといった感じでしょうか。
境内入って右手のほうの枝垂桜も、この様子だと少し早めに開花するかもしれません。
本来は彼岸中にライトアップできればと思っていたところではありますが、自然のタイミングというものはなかなか難しいですね。
地蔵堂前にある祐天桜は元々墓所に植えていたのですが、ここにあったゲッケイジュが倒れてしまったため移植してきました。
それなりの年数が経つのですが、なかなか花が出てきません。
花屋に並ぶものとは違うので仕方ないかもしれませんが、気長に待つ必要がありそうです。
昨年、境内に色々花を植えてみましたが、すべてがうまく根付いてくれたというわけではないと思われます。
しかし、それでも従来よりは華やかになると見込んでおります、素人の手作業でも意外といけるものですね。
彼岸中には花手水も実施しますので、例年以上に明るい境内になればと思う次第です。
マスク制限の緩和などもありますので、また多くの檀家の方が足を運んでくださればと思います。
ただ、体調面などは十分にご注意ください、私共は余計な心配をかけないよう、しばらくはマスクを継続する予定です。
住職の通っているスポーツジムも本日からマスクは自己判断ということですが、ここでも留意してウイルスを持ち込まないよう心掛けます。
家にインフルエンザが入ってきてしまい、4人中3人が罹患するという事態にもなりました、こちらもご注意ください、本当に流行しているようです。
そんな春先の法話です。
昨年、サクラを植えてみたのには少し理由があります。
2022年1月に亡くなった方のご遺族から「サクラが好きだったので戒名に『桜』の字を入れたい」という御相談がありました。
少々季節は違うのですが、うまく入れ込めたので、ご希望に沿う形の戒名をつけさせていただきました。
そして、四十九日が過ぎた頃、ふと門前の花屋・ジャングルジャックさんを見たら、サクラが2本ほど並んでいました。
今までは見過ごしていただけかもしれないのですが、私の記憶ではこのようなものが並んでいるのは初めてで、何か妙にご縁を感じたのです。
そして、植木屋さんの手入れの日程に合わせて購入し、本堂脇に植えてみたという背景があります。
その後、本堂及び境内照明の工事に際し、サクラが大きくなってもうまくライトが映えるようにと調整の上で設置を行ってもらいました。
数年すると、春先は門前から見ても華やかになると期待するとともに、先の故人様やご遺族も喜んでくれるかなと思っています。
仏教にはご存じの通り「縁」という言葉があります、あらゆる物事はすべてつながって成り立っているということです。
「袖すり合うも他生(多生)の縁」といったことわざもありますが、「ちょっとした出来事でも前世などに結ばれた縁によるものである」ことをいった言葉です。
余談ですが「多少」とするのは間違いです。
このように、縁というものは途中で切れてしまうものではありません、それは亡くなった方であっても同様です。
現世で顔を見ることはできないかもしれませんが、紡いだ縁は続いており、決して消えるものではありません。
袖がすれあうほどのちょっとしたことですら縁によるものであるならば、共に多くの時間を過ごしたご親族のものは少々のことのはずはありません。
お彼岸参り、ぜひその大事な方とのご縁を再確認しつつ心をお浄土へ向けていただきたく思います。
どうぞ、せっかくの機会ですので、なるべくご一族、普段なかなか顔を合わせない成人した御子息らもご一緒にお参りいただき、ご縁を感じ取ってください。