浄土宗 槃舟山易往院願生寺

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【連載】檀家信徒の皆様へ近況報告と法話 第35回

2022.09.01

第7波もピークアウトしてきた感とともに暑さも落ち着いて参りました。

5月や6月の様相からすると、お盆は大変なことになりそうでしたが、7月8月ともに13日当日は雨で気温自体は控えめでした。

とはいいつつも、一時的にはお墓参りに出るには少々厳しい時間帯もありました。

先週の段階で、塔婆はすべて各家墓所に供えております。

お盆に関しましては塔婆依頼がない場合でも「お参りの際に塔婆料+回向料相当額を治めた方」については用意しております。

7月お参りの場合は8月の法要でご供養しておりますので、一応、過日のお知らせに同封した動画でご確認ください。

これはなるべく墓所に塔婆が毎年更新されて常に新しいものがある状態にしていただきたいのと、塔婆回向の御利益は施主様にもあるためです。

先代があまりこのあたりの話をしていないようですが、今年よりはじめた回忌法要前の仏教講座で順次お話する予定です。

お盆の合同法要については当山はまだ歴史が浅いので、色々と試行錯誤を重ねております。

内容の変更など含め、何かありましたらお知らせいたしますので、ご意見等ございましたら遠慮なくお伝えいただければと思います。

皆様とより良い行事にしていきたいと考える次第です。

 

そんなわけで今月の法話です。

先ほど塔婆供養の御利益の話を出しましたが、こちらはいずれ重複してしまうので少し違うテーマです。

何かを拝んだりすることで、この世における良い成果を得られること、これを「現世利益」といいます。

それが「病気が治る」や「子宝に恵まれる」などは誰もそれによって損害を受けることはないので問題ありません。

しかし、受験なら1人合格すれば1人不合格が出ますし、スポーツなら勝者の裏には敗者がいます。

そう考えると、人の幸せやラッキーは表裏一体ともいえます。

そうでないことであっても、あまりにこのような利益を声高に主張されると胡散臭い印象を持つのは一般的な感覚であるといえます。

浄土宗ではこうした現世利益に関して説いているわけではありません。

ただ、「それを機にして自身の身を正し、信仰に向かう場合についてはあり得る」としています。

スポーツであれば支えてくれた人へ感謝し、敗者の気持ちをしっかり汲み、より一層の努力をすれば更なる成長がありますし、競技以外の面でもプラスとなります。

受験でも同様で、落ちた人の分まで一生懸命勉強すれば、それは先につながります。

逆に、そのような素養がない人へ下手に神頼み的な成果を出してしまえば堕落することは目に見えており、それは逆にネガティブな転換点となってしまいます。

もちろん、本人の努力がもっとも大事なポイントですが、それに追い風を吹かしてほしいのは誰しも同じことです。

因果応報の言葉ではないですが、そのためには誰かを後押ししていなければなりません。

ところが、皆様はそれを無意識のうちに行っています、それは先祖供養です。

回忌や施餓鬼、盂蘭盆会といった法要でのご供養で、極楽浄土の各家の祖先の方は修行がはかどる、暮らしやすくなるなどとされています。

その見返りというには少し語弊がありますが、自身の行ったことが同じように返ってくるのは不思議なことではありません。

ただ、それが伝わらないのは悲しいことでしょう。

何か良いことがあったらそれを返す、感謝の念を伝える、それは非常に重要です。

9月のお彼岸、おそらく気候もちょうどよくなると思われますし、感染症についてもピークアウトしてくる頃と思われます。

ここ数カ月の平穏をご報告しつつ、墓前での御供養をお勤めいただければと思う次第です。

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