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檀家信徒

【連載】檀家信徒の皆様へ近況報告と法話 第10回

2020.08.06

8月に入るとともに異様な暑さとなっておりますが、檀信徒の皆様はいかがお過ごしでしょうか。

例年ですと、7月盆で大半のお檀家様とお会いでき、ご都合つかなかった方や、帰省で久々の方とも8月にお会いできるといったところでしたが、今年はなかなかそうもいかない状況です。

この状況ですと、9月の彼岸も油断ならないかもしれません。

正直、ここまで長引くとも思っておりませんでしたので、10月か11月に代替で十夜と考えておりましたが、断念する可能性が高くなっております。

私としても皆様とお会いできないのは寂しい次第です。

個人的な話ではありますが、私も友人などとほとんど顔を合わせられていませんが、現代の有難いところで、メール等によって様子を知ることはできています。

皆様も、ぜひ近況をお知らせ下さい、用件のないご連絡でも、こちらは少し安心できるので大歓迎です。

そんな再度の自粛期間中の法話に移らせていただきます。

外出もしづらい中なので、娘とテレビを見ている時間も増えがちなのですが、サンリオ提供の番組の合間に「思い込みや先入観があなたの世界を狭くする」という啓蒙CMが流れておりました。

何でまたここでと思いましたが、山梨シルクセンター(サンリオの旧名)がかわいらしいキャラクターを作る企業になったのもよくわからないのでそこは流すこととします。

話が逸れそうなので戻しますと、このメッセージ自体には深い同意をするところと同時に、仏教の精神を感じる次第です。

そもそも仏教の興りは紀元前のインドというのは皆様ご存知のところと思います。

当然、現代日本とは価値観が全く違う世界ですし、これも知っての通りインドには根深い身分差別があったわけです。

別サイトで連載中の雑学記事の8月2日アップ分(阿難尊者の話)でも触れさせて頂きましたが、お釈迦様はそんな常識にとらわれていません。

女性であったり、不可触民といわれる最下層の身分の者についても世間の批判を受けつつも教団に入ることを許し、教えを説いています。

本来、仏教の精神はこのように先入観などにとらわれない平等・寛容なものであるはずです。

「○○だからダメ」「△△だから良くない」という決めつけは本当に自らの見識を狭め、閉塞的な考えに陥っていくことに他なりません。

私も狭い視点になりすぎないよう、お寺の事柄についても取り入れるかどうかは別としても、なるべく家内の意見を聞くようにしています。

ずっとここで育っている私にも思い込みがありますが、それをうまく外部からの視点で打開してくれることもあります。

こういったことも仏教の精神に基づくものと考えております。

仏教は地獄に落ちると脅しをかけたり、何かをしてはいけないという制約を加えることが本筋のものではありません。

ぜひ、この寛容の精神も心に置いていただきたく思う次第です。

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