願生寺の嫁ブログ
寺嫁日和
満ち足りる
2020.12.03
大分前になりますが、とあるYahoo記事に対するコメントに、
「本当に満ち足りている人は、インスタなどで幸せアピールなどしないんだなと改めて思った」
というのがあり、「本当にそう!!」と共感してしまったその1秒後に、でも本当に満ち足りている人はYahooコメントなんて読まないんだろうな、と思ったまた1秒後に、本当に満ち足りている人はそもそもYahoo記事なんて読まないんだろうな…と思いました。
何せ私はYahoo記事もYahooコメントも大好き。手持ち無沙汰になるとつい読んでしまう有様です。そんな私は「本当に満ち足りている人」であるはずがありません。
そもそも「満ち足りる」ってとても難しい。
独身の頃は結婚すれば満ち足りて幸せに暮らせると思っていたけれど、結婚しても悩みは尽きず、満ち足りた状態とは程遠い日々でした。
結婚して2年近く子どもができなかったのですが、その時は「子どもができたら満ち足りて幸せになれる」と信じていました。
しかし、第一子出産後は人生で3本の指には入るんじゃないかと思うくらいの辛い日々でした。
今振り返るとあの頃の自分は異常だったと思うのですが、とにかくホルモンバランスが乱れに乱れ、気持ちの振れ幅が大きく、出産前なら何てことないことなのに些細なことで泣いたり怒ったり、制御不能な感情をどうすることもできませんでした。。
やり場のない感情を物に当たり、ドアをバーンと閉めたり廊下をドンドン大きな足音を立てて歩いたりして主人や義母に対してもものすごく態度が悪く、今だからあの頃の自分は異常だったと分かるのですが、当時は何でこんなに苦しいのか分からず、毎日地蔵堂に手を合わせ「今日こそは穏やかに過ごせますように」と祈る日々でした。
どんなに手を合わせても穏やかには過ごせませんでしたが。
こんな状況でしたので、「子どもが産まれたら満ち足りて幸せになれる」という私の思いは儚く散り散りになり、あんなに子どもが欲しかったのにどうしてこんなに苦しいんだろう。何で毎日楽しいと思えないんだろう。そんなことばかり考えていました。
そして話は戻りますが、なので「満ち足りる」って難しいなと思うのです。
第一子出産後のホルモンバランスが乱れに乱れていた頃、部屋の掃除すらまともにできず、それでなくても出産前から散らかっていた部屋が益々酷い状態になっていたそんな中で、この期に及んでまだ諦めず「何で満ち足りないんだろう、どうすれば満ち足りた状態になるんだろう」と考えていました。
そして散らかった部屋を改めて見回して、そもそもこんな部屋で生活しているから満ち足りないんじゃないのかなと思いました。
また、当時心が荒んでいたので食べても食べても満足できず、人生MAXの体重を更新し続けており体重計に乗る度にやるせない気持ちだったのですが、部屋が整っていて、自分の納得のいく体型で生きていくことができれば満ち足りるんじゃないのかなとふと思いました。
いえ、満ち足りた状態ではないにしても、部屋が整っていれば物がすぐなくなりその物を探すためにまた部屋をぐちゃぐちゃにし、歩く度に物を踏むこのストレスからは解放される。朝起きた時、帰宅した時、夜寝る時、部屋が整っていればもう少し気持ち良く毎日を過ごせるんじゃないかと思いました。
子どもがいる同じ状況でも部屋がすごく整っている友達が何人かいましたが、その友人達はみんな気持ち良く毎日を過ごしているように見えました。
体型も、痩せていれば良いというわけではないかもしれないけれど、鏡を見る度体重計に乗る度どうしようもなく落ち込むあの気持ちからは解放されると思いました。
部屋を整えたい、ダイエットをしたい、そうすればきっと、今よりはマシになるはずだと、第一子出産後散らかりまくった部屋で途方に暮れながら考えました。
その時、私はいつも、今、ここにないものに幸せを求め、「〇〇したら幸せになれる」という考え方だからいつまで経っても満ち足りないんじゃないのかなと思いました。今、ここにあるものをもっと大切に、感謝して生きることができれば、満ち足りた人生を送ることができるんじゃないのかなと思いました。
これは仏教でいう「煩悩」というものだそうです。煩悩は苦しみの原因で、これはお腹いっぱい甘い物を食べたい、仕事をしないで遊びたいというような、どちらかというとだらしないようなものだけでなく、もっと自分自身を成長させたいといったような、プラスになるようなものも含まれるそうです。
そして、その煩悩は喉の渇きのように何かが達成されてもすぐにやってくるものだといいます。だから、私のようにずっと満たされないことが連鎖的に生まれてくるようです。
「満ち足りる」とは、煩悩に支配されず達観することなのでしょう。
どうすれば達観できるかわかりませんが「○○したら幸せになれる」というような、今ないものに幸せを求めるのはもうやめて、部屋も自分自身も、今ここに存在するものなんだから、それをとりあえず磨いてみようと思いました。
と、言いつつ部屋の片付けはその後も一切進まず最近になってやっと時間がある時できるようになりました。ダイエットはとりあえずこの時から2年後くらいには開始できましたが、ある程度体重を落としたら今度は維持が大変だと気付かされる今日この頃…
でも、部屋を片付けている時やダイエットのため筋トレをしている時、満ち足りた状態ではありませんがとにかく無心になれるのが心地良いです。
そして、部屋が片付いたときや体重が減ったときの達成感はたまりません。
なので、とりあえず今は部屋の片付けとダイエットを粛々と頑張っていこうと思います。