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【連載】檀家信徒の皆様へ近況報告と法話 第12回

2020.10.06

「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉通りになりましたが、檀信徒の皆様に於かれましては如何お過ごしでしょうか。

秋彼岸は多少の沈静化が見られたためか、春彼岸より多くの方のお参りをいただきました。

コロナの影響がなかった頃は、彼岸前後の一週間程度を含めて約200件のお参りをいただいておりましたが、今回は約160件、およそ8割程度の出足といったところでしょうか。

当然ながらまだ手放しで安心できる状況ではありませんので、くれぐれも回忌などもご無理ないよう、引き続きお願い申し上げます。

お花などご依頼の方には、後ほど年末のお知らせとともに画像を同封し、メールアドレスがわかる方は順次様子をお送りいたします。

実施を考えていた十夜法要については状況が改善しきらないため、取りやめの方向になりそうです。

何とか来年施餓鬼には特効薬などが開発されて欲しいところです。

しかし、このタイミングで修繕したいところなどもあるため、そこはきっちり済ませて来年に向けた準備としたく思っております。

そのような中で今月の法話に入らせていただきます。

私はかれこれテレワーク10年目ですので、家で仕事をするのは問題ないと思っていましたが、自由に外出できないという縛りが意外とストレスを生むことを改めて認識してきました。

ちょっと家族でお出かけ、友人と軽く食事など、これらが制限されるのがなかなかに厳しい、子ども2人もうまく言葉には出せないですが、良くない方でかなり様子の変化が見られました。

家内も何かと子どもにかかりきりになり、帰省もできずと苦しい状況にあったようです。

しかし、これは私どもだけでなく、世間全般にいえることで、生活リズムをつかめなかったりと、苦労した方も多いようです。

ある程度の慣れのある私以上にストレスを抱えたり、不安に苛まれるかたもいたことでしょう。

報道などを見てもネガティブな内容のものがいつも以上に目につく日々が続いています。

先の見えない自粛・制限に関するものであったり、有名人の自死のようなものもショックを受けるものです。

このような状況下ですと、普段なら聞き流せるようなバッシングや、好ましくない事柄について、必要以上にダメージを受けることもあるでしょう。

言葉やコミュニケーションというものは何かと不完全で使い方が難しいものです。

時と場合、相対している人との関係、その他微妙なニュアンスなど、発した人の思った通りにならないことも多々有りますし、何かを説明するのにも苦労することもあります。

その辺りはお釈迦様ですら苦労したようで、仏典を見るとたまに相反する内容が見られることもあります。

しかし、それは「方便」で、我々のような悟りに至ってない凡夫にもわかるように説明した結果、多少の矛盾が生じてしまった結果とされています。

運動や演奏を教える上でもこうしたことは起こるもので、段階や熟練度によって変化をつけることは珍しくありません、武道にも「守破離」という言葉があります。

また、タイミングなども重要な要素といえるでしょう。

年を取ってわかるようになったこと、若い頃謙虚に聞いたほうがいいこと、色々なパターンがあると思います。

父王殺しの罪で知られるアジャセ王子(法話でもたびたび出しているのと、別サイトの雑学記事で書いているので詳細は割愛します)も、お釈迦様が涅槃に入る直前に教えを請いに訪れています。

これらの要素を無視して放った言葉は、どんなに良いことであっても、相手をいたずらに傷つけるだけのものになってしまうこともあります。

ましてや、イライラしている状況などで出たものなどなおさらです。

かといって、色々恐れているばかりでは何事も伝わりません、それでは本末転倒です。

何事も冷静に自分本位にならず、相手に敬意を持ち、心を落ち着かせて臨むこと、何かと不穏な今、改めてそんな当たり前のことを考える必要があるのではないか、そう思う次第です。

私も偉そうなことをいえるような人間ではありませんが、自戒の念も込めまして今回はここまでにさせていただきたく思います。

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