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檀家信徒

【連載】檀家信徒の皆様へ近況報告と法話 第61回

2024.12.01

2024年も末となりました。

私もそれなりに年を重ねてきたため、基本的に年月の経過は早いものです。

今年はどんな年だったかと思い返すと、色々な変化があった年だと感じます。

私生活でいうと4月には下の子が小学校に上がり、私も国家資格を得て転職することとなりました。

お寺のほうでいうと境内や本堂整備、法要の充実、十夜放生会復活といった変化は晋山以来続けておりますが、継続しています。

一方で世間一般での変化は望ましいものばかりではないかもしれません。

報道で「103万円の壁」と聞かない日はありませんが、これは変化しなかったのがおかしい話です。

社労士試験のおかげでこのあたりの内容の解像度は高いのはいいタイミングではありました。

それはさておき、扶養に関する「130万円の壁」や「3号被保険者の廃止」といった話も出てきています。

こちらは専業主婦やちょっとしたパートの人に影響を与える話で、子育てに専心・重点を置く人の負担を増やす面もあり、少子化の昨今にこちらはあまりいい変化ではないかもしれません。

どのように動くかはまだわかりませんが、個人的にはこれらが試験に反映されると覚えなおしが極端に増えるので、本年パスしてよかったと胸をなでおろすところです。

他にもSNSの選挙への影響力拡大、犯罪の凶悪化なども目立ったように思います。

SNSは個人的にはあまり好きなものではありませんでしたが、仕事と認識すると活用できるようになり、その利便性も感じます。

それが良い点で影響を与えているのであれば、あまり否定的すぎるのも問題かもしれません。

一方、トクリュウ関連の話など、一般的な常識やモラルから考えると耳を疑うような内容です。

いずれにしろ、悪い変化が止まり、技術革新や生活環境の向上など、良い変化が続いて欲しいものです。

さて、その変化について仏教はどうなっているか。

仏教自体、葬式仏教化して悪い方へ変化しているのでは、というお話は耳が痛いところではありますが一旦置いておきます。

よく知られている言葉として「諸行無常」があります。

これは何度かテーマに出しているのでご存じでしょう、「あらゆるものは変化し続けている」ということです。

それに続く言葉として「諸法無我」というものがあります。

これは「あらゆるものは因縁により生じて実態がない」つまり「つながりの中で変化し続けている」ということです。

こうしたことを正しく理解することでさとりの境地にたどり着ける、様々なことに惑わされず心が落ち着いた状態になるとしています。

あらゆるものがずっとそのままである、たとえば肉体的な強さであったり地位や財力、それにこだわれば執着を生みます。

先のようなものもあらゆるつながりによって変化しています、つまりは、自力で得たようなものであっても、バランスや諸関係によって成り立つものなのです。

そうしたことを理解して、身に起こる様々なことで浮き沈みしない、安定して幸せな生き方ができるといった感じでしょうか。

本年、皆様にも色々なことがあったと思います、中には葬儀はじめネガティブなことも少なくないでしょう。

そんな中でこそ、この変化に関連した言葉や意味を思い浮かべて心を平静に保っていただきたいところです。

来年もぜひ、そのような心持ちでお過ごしください、それでは皆様良いお年を。

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