お知らせ
【連載】檀家信徒の皆様へ近況報告と法話 第49回
2023.11.01
すっかり涼しくなったとはいえ、20度越えの日が続いております。
不思議なもので、以前だとまだ夏の終わりくらいの日であっても、かなり涼しく感じるところです。
身体的な負荷はどの程度のものかはわかりませんが、急激に冬がやってくるよりは遥かに軽減されているのではないかと思います。
おかげで、古い塔婆の処理などがはかどります、夏場はさすがにこなせないため、この時期の定例となっています。
年末に塔婆屋に引き取ってもらうのですが、それまでに古いものを集めて角のスペースに持っていきます。
この作業をしながら、墓所の整備についても考えております。
境内正面の舗装が思ったより好評で、本堂や客間が整ってきたのもあり、徐々に墓所の通路改修にシフトしていく方針です。
ただ、古い墓所整備については祖父が一度行ったものの、その後一代丸々進展がありませんでした。
それに伴い、劣化や通用の利便性についても大きな問題となってきており、まずそれを処置していかないと通路まで手が回りません。
そのため、お知らせにも記しましたが、劣化が激しいものや承継者が不明な箇所についてはプレート掲示をさせていただきました。
おそらく、現在お参りの方で縁者の方はいらっしゃらないと見込まれますが、年末年始や春秋彼岸でご確認ください。
それと、当月は以前から告知していた通り十夜放生会初回(実質)となります。
既に御札・御塔婆のお申込みをいただいております。
個人的には塔婆依頼が思ったより多いといった印象ですが、どちらでも構いません。
仏壇用の御札も初の試みではありますが、よろしければ来年以降もご検討ください。
このような時期ですので、今月の法話は放生会についてです。
多少、当日の初回説明と重複するところもあるかと存じますが、やはり法要として一番重要なことは「わかりやすいこと」ではないかと考えます。
施餓鬼などは大きな功徳を積めるとされておりますが、餓鬼道等、現代は常識的な言葉といい難いところはあります。
一方で、放生、生きものを放して助けてあげるという行為は善行として非常にシンプルかつわかりやすいものと思われます。
浄土宗21世紀劈頭宣言に「愚者の自覚を」という言葉があります。
檀信徒の方には非常に学識のある方や人柄に優れた人が多くいらっしゃり、素晴らしい方と尊敬するばかりです。
しかし、どんなに優れた人であっても現世で生きる限りは他の生きものや植物などによって生かされているのです。
仏教的にいってしまえば、つまりは凡夫なのです。
そうした我々がふと立ち止まり、生きものなどに感謝を捧げるとともにそれを助けることは非常に重要なことといえます。
輪廻思想の話もあり、法要の表白には「生きものを殺すことは他世の自分自身や縁者を殺すようなこと」という一節があります。
ただの多数の生物と考えず、そうしたイメージもあれば供養しようとする心も強くなるかと存じます。
少なくとも今回は説明と法要についてまたアップロードいたしますので、そちらもぜひご覧いただき、今の生を見つめなおしていただければと思います。