浄土宗 槃舟山易往院願生寺

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【連載】檀家信徒の皆様へ近況報告と法話 第38回

2022.12.01

11月末は妙に生暖かい風が吹いておりましたが、それでも12月、気づけば師走です。

例年、11月半ばほどにカレンダーが届き、末から発送準備に入りますので、それもある種風物詩といえるような感じとなっています。

回忌の繰り出しなどを準備しつつ、1年を振り返りますが、今年やはり大きかったのは本堂への御寄進でしょうか。

一昨年は思い切ってLED化をしましたが、本年は御寄付により四天王像と新しい塔婆立てが入りました。

本堂がさらに格が上がった感があり、個人的には非常に良くなったと思っております。

明るくなった分、清掃にも留意する必要がありますが、こちらも代替わりから力を入れています。

そうした点にリソースをさけるようになったのも、諸々の簡略化があります。

郵便物の発送ですが、住所等のスタンプはあらかじめ印刷された形にして省略しています。

糊付けも一部旧来の在庫が残っているのですが、基本的にテープをはがすだけでできるような封筒を導入しました。

これらは少し考えを変えるだけで実現できたことですし、コストもさして変わっておらず、むしろ低減しているといえます。

本堂や客間にも謎の風習や長年放置されていたものがあったりしたのですが、意味がないものはカットしましたし、老朽化したものを変えるなどの措置もとりました。

細かいことなのですが、それにより労力削減だけでなく見栄えも良いものとなっているところもあります。

今まで何となくスルーしてしまっていたものについて、あまり先送りにしないほうがいいことがよくわかります。

年末にあたり、このように諸々なるべく年内に済ませ、来年は気分一新で迎えたいところです。

 

そんな2022年最後の法話です。

先ほどの話で出た四天王について、勧請したときに記していなかったためそれをテーマにしたいと思います。

まず、四天王は帝釈天の部下にあたる仏法の守護者です。

帝釈天は柴又ので知られるあの帝釈天で、須弥山(世界の中心とされる高山)の山頂に住むといわれます。

その山腹の四方に住むのが四天王で、各方面を守護するとされます。

東が持国天、南が増長天、西が広目天、北が多聞天(毘沙門天)となっており、しばしば「東から地蔵買(こ)うた」という語呂合わせで覚えられます。

この「天」というのは「如来」「菩薩」「王」に次ぐもので、インドの土着宗教などから取り入れられたもののような、様々なものがあります。

毘沙門天が出ているので何となくわかると思いますが、七福神の大黒天などもそれにあたります。

足元には邪鬼を踏みつけ、仏法に従わないものや入り込む悪を戒める厳しい顔つきをしています。

顔色が四方に対応していることもあるのですが、そうなるとかなり人間離れした感じになるので、当山のものは下の邪鬼に各色をあてています。

色については四神(青龍、朱雀、白虎、玄武)と同じく、東から時計回りに青、赤、白、黒です。

『金光明経』というお経には、四天王を信仰すれば国家安穏・五穀豊穣であるということが説かれています。

そのため、古くから日本でも信仰されており、それは大阪の四天王寺(聖徳太子の戦勝祈願がルーツ)をみればうかがい知ることができます。

先に国家の安寧などの御利益があるとしましたが、毘沙門天は知っての通り金運や戦勝祈願などの力が伝えられています。

広目天も筆と巻物を持っていることから、仏法の守護のほか、学問などに御利益があるとされています。

お店を持っている方や受験生にとってもプラスといえます、秋彼岸でも一部の檀家の方にご紹介させていただきましたが、ぜひ皆様もご参拝ください。

年末年始、お墓掃除にお参りの方も多いと思いますが、寒さも厳しくなりますし、コロナの第8波も到来しているといえます。

花手水など用意しお迎えする準備をしておきますが、皆様も十分ご注意の上、元気なお姿を見せていただければと思います。

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